ステップファミリーが「まとまった家族」になっていく家庭で感じる様々な気持ちの変化を、パトリシア・ペーパーナウ博士が7つの段階に分けて紹介しています。 原文の英語に忠実な訳を、明治学院大学社会学部教授の野沢慎司先生が考えて下さいました。 本文のほうはかなり超訳していますが、英語の解かる方はそのニュアンスがれるよう、対訳を参考資料としてここに掲載致します。 (SAJハンドブックより) 初期段階 1.Fantasy(空想に包まれている時期)・・・The invisible burden(背負った重荷が見えていない) 2.Immersion(現実に身を漬し始める時期)・・・Sinking versus swimming(沈み始め、もがき始める) 3.Awareness(気づきの時期)・・・mapping the territory(問題がどこにあるかが見えてくる) 中期段階 4.Mobilization(変動の時期)・・・Exposing the gaps(家族内のズレや対立が噴出する) 5.Action(行動の時期)・・・Going into business together(新たな家族の共同運営が再出発する) 後期段階 「ステップファミリー」としての結束が強まる 6.Contact(関係深化の時期)・・・Intimacy/authenticity in step relationships (継親子関係が親密になり本物になる) 7.Resolution(連帯達成の時期)・・・holding on and letting go(自然体で家族関係が維持できる) 1.夢と期待に満ちている時期 新しい関係を始める場合によくあることですが、ステップファミリーの場合も、自分たちの新しい暮らしについて、多くの幻想とも言える現実的でない期待を持つようになります。 「パートナーが自分を愛しているのだから、自分の子どもたちも同じように愛してくれるはず」「子どもも新しい親を持って、幸せに思うはず」などの期待がこれにあたります。 多少の問題があっても、新婚である夫婦は「ごくごく短い時間で愛がすべてを解決する」と根拠もないまま確信しています。 2.何かがおかしいと感じ始める時期 幻想を幻想と認めることは難しく、多くのステップファミリーでは自分が作り上げた期待のパターンに沿うように、大変な努力を続けています。 親たちはすべてがうまくいっていると自分に信じさせようとします。しかし、水面下では居心地の悪さが大きくなり、特に継親は何かがおかしいと感じ始めるようになります。 この感情は特に継母に関してしばしば見られるものです。 3.はっきりと現実に気づく時期 「まとまったひとつの大きな幸せな家族になる」という考えが、達成不可能な夢にも思えるようになってきます。 再婚した実親の緊張は高まり、継親のニーズと子どものニーズのバランスを取ることが苦痛になります。継親は家族に変化が必要だと気づくようになり、子どもたちが自分のニーズを口にするようになって、実親は子どもとパートナーの板ばさみになり緊張を感じます。 ステップファミリー関連の本を読むこと、他のステップファミリーの人たちと話すこと、セラピー、カウンセラーとの会話など、外部からの刺激により、継親は問題と対決しようとする気持ちを大きくしていきます。 4.変動の時期 この段階において家族は、多くの激動を経験します。 継親は、自分を家族の一員として受け入れるよう主張し始めます。ストレスいっぱいのこの時期、初期の段階と同じく、家族は血のつながった者同士に分かれてしまいます。 夫婦はよりおおっぴらに口論を始めるようになり、しばしば血のつながった者同士で固まりお互いに対立します。 この時点では、お互いを理解すること、夫婦関係を改善する時間を持つ努力をすることが非常に重要です。 5.行動の時期 ステップファミリーがこの段階に到達するには4年ほどかかり、夫婦がよく協力している場合でも、1、2年はかかるものです。 もしあなたとあなたのパートナーがチームとして足並みを揃えて行動することができないでいるなら、この段階でステップファミリーのグループや夫婦カウンセリングを探すとよいかも知れません。 あなたには、自分自身と家族に対する責任があります。 多くの家族がこの時期にこういった外部との接触を図ることが、ステップファミリー間の関係改善と家族みんなの幸せな将来を築くための役に立ったと感じています。 この段階で、夫婦は家族のジレンマを「チーム」として解決できるようになり、子どものニーズを満たしてより子どもをかわいがってやれるようになります。親子関係は注意深く維持され、新しいステップ親子の関係が発達していきます。 夫婦によっては一部の問題においてこの行動の段階に素早く移行し、他の問題では初期の段階に留まる場合もあります。 6.関係が深まる時期 実親と継親は、今では一緒にものごとを行うことをますます快適に感じており、継親子の関係は強固になり、より落ち着いた親密さを増します。 子どもと離れて暮らすもうひとりの実親との関係も落ち着き、時には小さな問題が起こるものの、毎日を過ごすことが楽になります。 7.連帯達成の時期 この時点で家族関係は強固になり、家族のメンバーは新しい家族に属しているという感じを持つようになります。問題がおきても以前のように限界にまで達し家族がバラバラになってしまうことはなく、ほどなく家族は快適な安定を取り戻します。 もちろんすべての家族の発達が、スムーズにこの段階のように進むわけではありません。ある段階まで上がった後に事件が起こり、一度まとまりかけたステップファミリーがすでに解決したはずの段階へと戻ってしまうこともあります。ただし、その場合その段階を終え次に進むのも早いものです。 それぞれの段階につけられたタイトルは重要ではありません。重要なのは、湧き起こる感情と状況そのものなのです。 |